K-1WGP2006決勝

東京ドームで観戦してきました。SS席だったのですがネット裏で見づらかったです。外すとかできないんでしょうか。SS席はほとんどこんな感じなのであまりおすすめできません。
試合を振り返ってみます。

第1リザーブファイト ピーター・アーツ VS 武蔵

アーツは今年のグランプリ開幕戦を病気で欠場し、K-1グランプリ第1回から13年間も続いていた連続出場記録が途切れてしまいました。それでも十分すごすぎる記録ですが。リザーブファイトでアーツを見ることになるとはなんとももったいないです。
試合はアーツが武蔵を圧倒し1Rで2度ダウンを奪いKO勝ちとなりました。全盛期の勢いに技術が加わったアーツをそこに見ました。武蔵には悪いですが格が違っていました。

準々決勝第1試合 セーム・シュルト VS ジェロム・レ・バンナ

「誰がシュルトをKOできるのか?」というのが最近のK-1の見所になっていますが、「KOできるとしたらこいつしかいない!」といわれるバンナとの試合が実現しました。
バンナは果敢にシュルトの間合いに入り幾度となく顔面にパンチを当てますがシュルトは揺るぎません。逆にシュルトは前蹴り、膝蹴り、パンチでバンナを追いつめていきます。2R、シュルトはハイキックでバンナからダウンを奪います。バンナは立ち上がりますがこれが決め手となってしまい、シュルトの判定勝ちとなりました。バンナをしてもシュルトの牙城を崩すことはできませんでした。
シュルトは背が高すぎるためまず顔面にパンチが届きにくく、届いたとしても打ち上げのパンチになってしまうので威力が出ません。バンナで無理だとパンチで倒すのは難しそうですね。
アレクセイ・イグナショフシュルトをパンチと膝蹴りでKOしたことがありますが今となっては信じがたいです。どこへ行ったのかイグナショフアレクセイ・イグナショフ VS セーム・シュルト(YouTube)

準々決勝第4試合 レミー・ボンヤスキー VS ステファン・レコ

2003年に優勝候補と言われながら出場できなかったレコと、その年優勝したボンヤスキー。因縁めいた試合です。
試合開始からわずか17秒、互いのミドルキックが交錯しボンヤスキーの下腹部にレコの蹴りが入ってしまいます。ボンヤスキーは非常に苦しそう。3分間のインターバルが取られますが回復せず、先に次の試合を行ってその後再開することが決定されます。こういうことってあるんですね。
試合再開後、今度はレコのバックスピンキックがボンヤスキーの下腹部に入ってしまいます。ボンヤスキーは信じられないという表情。再び3分間のインターバルが取られます。蹴ったレコは悪いですが、2回も金的を蹴られるボンヤスキーも格闘家としてどうなのよという気もします。レコが圧倒的に有利な状況ですが、ここからボンヤスキーは根性で彼らしからぬラッシングファイトを見せ、レコからダウンを奪います。これが決め手となりボンヤスキーの判定勝ちとなりました。しかしダメージは深刻に見えます。

準決勝第1試合 セーム・シュルト VS アーネスト・ホースト

ホーストは未だ攻略の手口が見えないシュルトを相手に、負ければ引退という厳しい戦いに挑みます。
ホーストシュルトに決定打を許しませんが自身も決定打が出ずシュルトに有利な展開のまま時間が過ぎていきます。ホーストシュルト有利な展開を崩すことができず、シュルトの判定勝ちとなりました。
今日のホーストは41歳という年齢を感じさせないほどコンディションが良く、動きも切れていました。ここで引退というのはもったいない気もしますが、一つの時代の終わりとして、偉大なファイター、ホーストに拍手を送りました。

準決勝第2試合 グラウベ・フェイトーザ VS ピーター・アーツ

本来ならフェイトーザVSボンヤスキーなのですが、ボンヤスキーは先ほどの試合で負った下腹部へのダメージから嘔吐を繰り返しドクターストップがかかったとのこと。本日最もついてない人決定です。女の人には説明しづらいですが、あのぶら下がっている物はむき出しの内臓なので蹴られると我慢するとかそういうレベルじゃなくなります。
で、今年でルールが変わったのか準決勝に進出する権利を得るのはレコになるそうなんですがレコも左足を負傷してドクターストップがかかったとのこと。代わりに第1リザーバー、アーツの準決勝進出が決定しました。レコがけがをしていたようには見えませんでしたが、ここでレコが出場してもブーイングの嵐でしょうから大人の事情なのでしょうかね。
アーツはグラウベを相手に優勢に試合を進めていきます。グラウベのハイキックがヒットし危ない場面もありましたが、パンチでダウンを奪い見事KO勝ちを収めました。武蔵に続き1R KOで、1998年の全試合1R KOという圧倒的な強さを誇ったアーツを彷彿とさせました。

決勝 セーム・シュルト VS ピーター・アーツ

絶対的な強さを誇るシュルトですが、アーツは今年の3月にシュルトに判定勝ちしており、今日の調子から見ても史上初のリザーバーからの優勝がありえます。
試合開始からアーツはパンチでラッシュを仕掛けます。さらに、ローキックに活路を見いだし幾度となくシュルトの左足に蹴りを当てます。
しかしシュルトは揺るがず2Rには前蹴りから膝蹴りでアーツからダウンを奪います。アーツもよく攻めましたが決定打はなくシュルトの判定勝ちとなりました。バンナ、ホースト、アーツと強豪中の強豪を立て続けに破っての優勝ですから文句のつけようがないです。
二連覇したシュルトはすごいですが、今日はアーツが特に印象に残りました。昨今の色物路線のK-1は好きになれないですが、アーツの試合は見ていて楽しいです。アーツの試合を3試合も見られておなか一杯です。