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中国製のけん玉の定量評価

中国製のけん玉の技のやりやすさについて、エンジニアのくせに定性評価しかしてなかったので定量評価してみました。

評価方法

概要

けん玉の種類によって技の成功率に差があると仮定すると、特定の技を繰り返し行うことによって成功率に差が出てくるはずです。そこで、成功率に差が出そうな技を選定し、試行を重ねてみることにしました。

使用けん玉

以下の5種類のけん玉を使用しました。使い込むことによる成功率の変化をなるべく排除するため、できるだけ新しいものを使用しました。

  • 夢元
  • 大空
  • KC Winner II
  • Battle Kendama
  • Sun Rise
選技

けん玉の性能により成功率に差が出やすそうであること、おおむね8割前後の成功率を確保できそうなことから、独断と偏見で以下の8つの技を選定しました。

  • 一回転飛行機
  • うぐいす
  • すべり止め極意
  • 中皿極意
  • 大皿極意
  • 灯台とんぼ返り
  • 月面着陸
  • けん先すべり
試行回数

けん玉の技は、ベルヌーイ試行であると仮定します。ベルヌーイ試行とは、コインの裏表のように2種類の状態しかなく、前の試行が後の試行に影響を与えない(独立である)事象をいいます。
計算は省きますが、確率80%のベルヌーイ試行において、やや粗いですが、誤差±10%以内で90%信頼区間に収めるには、約43.3回の試行が必要になるので、1つの技につき50回試行することにしました。(訳:50回で勘弁してください。)
なお、けん玉の技は、成功・失敗が次の試行に影響を与える可能性があり、厳密には独立な試行であるとは言い切れないところがあります。そのため、以下のように試行を10回ごとに区切り、できるだけ前の試行の影響を排除することとしました。

  • (1) 5種類のけん玉で1つの技をそれぞれ10回ずつ行う。
  • (2) 8種類の技について(1)を繰り返す。
  • (3) (1),(2)を5回繰り返す。

結果

成功率

5種類のけん玉で8つの技を50回ずつ行いました。成功率を以下の表にまとめます。

夢元 大空 Winner II Battle Sun Rise
一回転飛行機 84% 86% 84% 86% 82%
うぐいす 92% 90% 86% 74% 82%
すべり止め極意 92% 96% 80% 88% 84%
中皿極意 86% 84% 76% 66% 70%
大皿極意 64% 58% 62% 24% 58%
灯台とんぼ返り 94% 86% 86% 78% 60%
月面着陸 92% 58% 68% 42% 30%
けん先すべり 98% 94% 98% 92% 100%

表中の赤くなっている値は、夢元を基準とした有意水準1%の二項検定において、成功率に有意に差があるものです。要は、その技は夢元と比べて明らかに成功率が悪いということになります。

ついでにグラフも載せておきます。

考察

一回転飛行機

夢元 ≒ 大空 ≒ Winner II ≒ Battle ≒ Sun Rise

結果からは、5種類のけん玉に有意な差は見られませんでした。これは、定性的な評価にも合致します。けんのバランス、回転の安定度はどのけん玉も同程度であると考えられます。
しかし、一回転飛行機の成功率が90%を超えないのはちょっとショック。。。

うぐいす

夢元 ≒ 大空 ≒ Winner II ≒ Sun Rise > Battle

結果では、Battle Kendama がやや悪い値となっています。Battle Kendama は他のけん玉に比べて、大皿・小皿のふちの面取りが大きく、ややすべりやすいことが原因と考えられます。ただし、使い込むことによってそれほど気にならなくなる可能性はあります。

すべり止め極意

夢元 ≒ 大空 ≒ Sun Rise ≒ Battle > Winner II

結果では、Winner II がわずかに悪い値となっています。Winner II はたしかにややすべりやすいようにも思いましたが、それほど気になるレベルではなく、使い込むことによって改善する可能性はあります。
すべり止め極意の成功率がうぐいすと変わらない、というかむしろちょっといいのは我ながら変態的ですね。

中皿極意

夢元 ≒ 大空 ≒ Winner II > Sun Rise ≒ Battle

結果では、Kendama と Sun Rise がやや悪い値となっています。Battle Kendama は他のけん玉よりも中皿のふちの彫りがやや浅いのが原因と考えられます。Sun Rise は他のけん玉より玉が重く、中皿のふちから落ちやすかったと考えられます。

大皿極意

夢元 ≒ 大空 ≒ Winner II ≒ Sun Rise > Battle

結果では、Battle Kendama が極端に悪い値となっています。うぐいすと同様に、面取りが大きいためすべりやすくなっているのが原因と考えられます。

灯台とんぼ返り

夢元 ≒ 大空 ≒ Winner II > Battle > Sun Rise

結果では、Battle Kendama がやや悪く、Sun Rise がさらに悪い値となっています。Battle Kendama と Sun Rise は玉と皿を合わせたときに隙間が開いており、また、玉の塗料もすべりやすいことが原因と考えられます。玉の塗料については、Winner II についてもややすべりやすいと感じました。

月面着陸

夢元 >> 大空 ≒ Winner II > Battle > Sun Rise

結果では、夢元が極端に良く、大空と Winner II が同程度の値で、Battle Kendama と Sun Rise が悪い値となっています。Battle Kendama と Sun Rise が悪いのは、灯台とんぼ返りと同じく、玉と皿の間に隙間があるのと、塗料がすべりやすいのが原因と考えられます。
玉と皿の密着性については、夢元は群を抜いて優れています。

けん先すべり

夢元 ≒ 大空 ≒ Winner II ≒ Battle ≒ Sun Rise

結果からは、5種類のけん玉に有意な差は見られませんでした。けん先のすべりやすさについてはどのけん玉も同程度であると考えられます。

総括

中国製のけん玉の技のやりやすさを定量的に評価してみました。半日がかりで5種類のけん玉で8つの技を50回ずつ行いました。2000回の試行は超疲れました。大会の練習でもこのくらいやってればもうちょっと良い成績になるのかもしれませんが。。。
定量的な評価でも、中国製のけん玉は日本けん玉協会公認のけん玉にかなり近い性能を発揮することがわかりました。繰り返しになりますが、ほぼ新品状態での評価ですので、使い込むことによって技のやりやすさが変化する可能性はあります。今後、耐久性と合わせて注目していきたいと考えています。