PRIDE 無差別級GP 2006 決勝戦

今日もさいたまスーパーアリーナまで見に行ってきました。スタンドS席の前から2列目という良席のチケットを入手できてラッキーでした。
試合を振り返ってみます。

ミルコ・クロコップ VS ヴァンダレイ・シウバ

トーナメントなので2試合目からこのカードです。ヘビー級対策で102.3kgまでビルドアップしてきたシウバに対して、ミルコは逆に絞り込み100.4kgとシウバを下回る体重で仕上げてきました。
試合開始からパンチの連打でシウバが圧力をかけていきますがミルコは冷静に見切って逆に左ストレートと左ミドルキックを返していきます。シウバはタックルを試みますが逆にミルコが上になりガードポジションから鉄槌を連打します。シウバは下から腕ひしぎ十字固めを狙いますがミルコはそれをかわし両者スタンドに戻ります。ミルコがパンチでダウンを奪い再びガードポジションから鉄槌を連打します。ここでシウバの右目の周りが腫れ上がりドクターチェックが入ります。長いドクターチェックの後試合が再開されます。ミルコがガードポジションで上をキープしシウバに降着を誘発したとしてイエローカードが出されます。ブレイクからスタンドでの再開となり、シウバはパンチでラッシュを仕掛けますがミルコは落ち着いて体勢を立て直し左ストレートと左ミドルキックを当てていきます。そして伝家の宝刀ハイキック一閃。シウバのふさがった右目の死角からクリーンヒットし、シウバが大の字にダウン。ここで試合終了となりました。
正直ここまで一方的な試合になるとは思いませんでした。ミルコはテイクダウンされることも有効打をもらうこともなく決勝に駒を進めました。

アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ VS ジョシュ・バーネット

ミルコとシウバの試合が打撃対決ならこちらは柔術キャッチレスリングの寝技対決です。若干ノゲイラ有利と思っていましたが予測困難な試合です。
立ち上がりお互いパンチで様子を伺います。ジョシュのパンチがノゲイラの顎を捉えノゲイラがダウンします。ジョシュはすかさず上を奪いガードポジションからパウンドを打ち込みます。寝技で一進一退の攻防が続きノゲイラマウントポジションを取りますがジョシュはそれを返します。ジョシュがフロントチョークを仕掛けますがノゲイラは体を返して抜け出します。1ラウンド終了間際ノゲイラがほぼ完璧に腕ひしぎ十字固めの体勢に入りますがジョシュは何とか抜け出しポジションを入れ替えたところで1ラウンド終了。内容が濃すぎます。
2ラウンドに入っても両者の動きは衰えずグラウンド中心の攻防が続きます。ガードポジションでジョシュが上になることが多いですがノゲイラマウントポジションを奪う場面もあります。2ラウンド終了間近ジョシュは膝十字を仕掛けます。ノゲイラの足が伸びきったところで試合終了のゴングとなりました。
判定は一人目がノゲイラ、二人目がジョシュ、三人目もジョシュで2-1のスプリットデシジョンでジョシュの勝利となりました。ポジショニングではマウントを2回奪ったノゲイラが上だと思いましたが、1ラウンドのダウン、ガードポジションからのパウンド、試合終了間際の膝十字などが評価された結果だと思います。ノゲイラはこの後表彰式を負傷で欠席しているので妥当な判定だったと思います。準決勝でもうおなか一杯です。

イ・テヒョン VS ヒカルド・モラエス中村和裕 VS 中尾“KISS”芳広

いい具合に決勝前の空気をクールダウンしてくれました。初めて試合中にトイレに行ってしまいました。

ジョシュ・バーネット VS ミルコ・クロコップ

ついに決勝です。1ラウンドKOでほぼ無傷で勝ち上がってきたミルコと、ノゲイラと2ラウンドフルに闘ったジョシュ。ミルコはスタミナが課題といわれていますがジョシュはスタミナに定評があるのでまだ有利不利はわかりません。
立ち上がり打撃戦になりますがさすがにミルコに分がありパンチとミドルキックをヒットさせます。ジョシュもハイキックを放ちますが届かず。ジョシュはミルコの左ミドルキックをキャッチしてテイクダウンを試みますがミルコは踏ん張りテイクダウンを許しません。ミルコはボディとアッパーでダウンを奪います。そこから鉄槌の連打を浴びせます。一度はジョシュが突き放しますが、ミルコは再びパウンドを浴びせます。ジョシュは目を痛めてたまらずタップ。ミルコが圧倒的な強さで二連戦を勝ち進み無差別級GP2006のチャンピオンになりました。ミルコは準決勝に進出した4人の中で唯一ベルトを取ったことがありませんでしたがついに念願のベルトを手に入れることができました。さらに今日はミルコの誕生日なのですね。「今日は生涯で最も幸せな日だ」という言葉が印象的でした。
ミルコはガードポジションのキープとパウンドが非常に上達していますね。スタンドでの強力な打撃に加えてグランドでの強力なパウンドを身につけたことで総合格闘技におけるストライカーの理想型を確立してきていると思います。