概要
ZWO AM5のウェイトシャフトをモノタロウで特注してみました。結果として純正品の約半額で作ることができたので、何かの役に立つかもしれないと思い共有します。
AM5とは?
AM5とはZWO社から2022年に発売された赤道儀です。波動歯車という方式を採用しており、従来のドイツ式赤道儀とはまったく形状が異なります。ドイツ式赤道儀では、バランスウェイトを使用して望遠鏡とバランスを取る必要がありましたが、このAM5は積載量13kgまでであればバランスウェイト不要です。
調査
先述の通り、AM5は積載量13kgまでであればバランスウェイト不要ですが、バランスウェイトを使用すれば最大20kgまで積載することができます。私の手持ちの機材は13kgどころか10kgもないのでウェイトは不要なのですが、将来役立つかもしれないのであってもいいかなと思いました。
ウェイトシャフトは純正品があるのですが、税別5455円と、なかなかいい値段です。天体望遠鏡の界隈では、ネジや棒や板が数千円~数万円することもあるのでそれほど法外な値段でもないような気はしますが、もうちょっとなんとかなるのではないかと思いました。
ウェイトシャフトの仕様を確認すると、オスネジの仕様はM12・ピッチ1.75mmで、シャフトの外径は20mmであることがわかりました。モノタロウで調べてみると、このサイズの金物を特注できることがわかり、レビューを見ると赤道儀のウェイトシャフトとして使っている人もいるのでいけそうな気がしました。
発注
純正品にサイズが近く、半額くらいの値段になるように、以下のようなパラメータで発注することにしました。
項目 | 値 |
---|---|
軸経(D) | 20mm |
長さ(L) | 200mm |
P | 12mm |
G | 17mm |
V | 12mm |
N | 12mm |
こちらのリンクで同じパラメータで作成することができます。2022/9/5の時点で税別2873円でした。
こちらのサービスはかなり素晴らしいのですが、1つ惜しいところがあり、オスネジの根元5mmのところにネジを切ることができません。これだと、オスネジをねじ込んでもちょっと浮いてしまいます。ネジを切らない部分を細くする加工(ヌスミ加工というそうです)ができると完璧なのですが、今のところ解決方法がないので、スペーサーがほしくなりました。内径12mm、外径20mmのものがあればちょうどよかったのですが、見つからなかったので内径12mm・外径15mmと、内径16mm・外径21mmの2個のスペーサーを組み合わせることにしました。税抜189円+229円=418円 なので許容範囲かなと思います。私は後から別で注文してしまったので送料が別にかかってしまいましたが、3500円で送料無料になるのでいっしょにまとめればよかったと思います。
納品
注文から2週間ほどで納品されました。
丁寧な梱包で届きました。
型番はこんな感じ。型番で仕様がわかるようになっているようです。
オスネジ側。根元の5mmのところにネジが切られていないところがあります。
メスネジ側。
AM5にそのまま取り付けると、ちょっと浮いてしまいます。
スペーサーを取り付けたところ。両面テープで固定すれば十分かなと思います。
スペーサーを取り付ければぴったりです。
反対側は、元々付属していたM12ネジがぴったり取り付けられます。
純正品と見間違うようなぴったり感です。
外径20mmなので、ビクセンGP互換のバランスウェイトなどを取り付けることができます。13kg以上のものを搭載する予定は当面ないので不要なのですが、つけてても害はないと思います。特に、経緯台モードで使うときは若干精神衛生上いいかもしれません。
こんな感じのアクセサリを付けることもできます。
まとめ
モノタロウで特注したシャフトは十分使えそうなことがわかりました。当面使うことはなさそうですが、純正品より安価に作れてとりあえず満足しました。赤道儀用のシャフトをこんなに簡単に特注できるとわかったのは収穫でした。
今回は片側オスネジ、片側メスネジのものを作成しましたが、両側メスネジで、片方にM12の全ネジをねじ込むようにするのもありかもしれないです。強度的には落ちるかもしれないですが。