ぷららのIPoEでIPv4 over IPv6を使いつつPPPoEも共存させるメモ

近頃、夜間や休日などの混雑時間帯にあまりにインターネット接続の速度が遅いのでIPoE方式にしてみようと思いました。 これは、一般的な家庭である我が家でIPoE(IPv4 over IPv6)を導入したときのメモです。

元々の環境

元々のインターネット接続環境は以下のような感じです。

ぷららではIPoEサービスを「ぷららv6エクスプレス」という名前で提供しています。 2018/3/1以降にぷららに申し込んだユーザは自動的に有効になるようですが、それ以前からのユーザはマイページから自分で申し込む必要があります。 私はマイページで申し込んでから2日ほどで開通のお知らせメールが来ていました。 「ぷららv6エクスプレス」については、↓のページに説明があります。 www.plala.or.jp

機器の購入

IPoEでIPv6インターネットに接続するには、Web Caster V120でも問題ありません。IPoEが開通すると、特に何もしなくてもIPv6でつながるようになります。 しかし、IPoEでIPv4インターネットに接続するには、「IPv4 over IPv6」が必要になります。IPv4 over IPv6の方式にはDS-Lite方式やMAP-E方式などいくつかの方式があります。ぷららは方式を非公開にしていますが、MAP-E方式のサービスの1つである「OCNバーチャルコネクト」を使用しているようです。 OCNバーチャルコネクトを使用するには専用機器が必要で、今のところ「ドコモ光ルーター01」しか対応していないようです。

「ドコモ光ルーター01」はNECAterm WG1200HPのOEM製品のようですが、ファームウェアは別物のようで、各社のIPv4 over IPv6方式に対応しているようです。無線LANルータとしてはやや割高な気はしますが、これしかないので仕方がありません。

構成の問題

さて、家庭内からインターネットに向けて接続するだけなら、Web Caster V120をドコモ光ルーター01に入れ替えてしまえばよいのですが、そう簡単にはいきません。問題点は以下の2つです。

自宅サーバはダイナミックDNSで外にIPアドレスを公開しているのですが、IPoEだとIPv4アドレスの使用には制限があります。OCNバーチャルコネクトだと、公開できるポートが限られているようでした。少なくともWebやメールで使うようなWell-Knownポートは使えません。そのため、外部に公開するIPアドレスを使用するには、PPPoE接続を残さなければいけません。 また、Web Caster V120はVoIPゲートウェイの機能を内蔵しており、我が家では電話機をつなげています。これがないと、ぷららフォン for フレッツを使用できません。あまり使うことはないのですが、それでもたまに使うのでなくすわけにもいきません。

構成案

というわけで、Web Caster V120は残しつつ、ドコモ光ルーター01を追加して、PPPoE接続かIPoE接続かを選択できるようにする方式が最もよさそうです。図にすると↓のような感じです。 f:id:shakemid:20180907042950p:plain

VDSLモデムのLANポートは1つしかないので、L2スイッチを挟んでWeb Caster V120とドコモ光ルーター01を接続することにしました。2つの機器を同一のネットワークに置いて、配下の機器ごとにデフォルトゲートウェイを選択することで接続方式を分けられるようにしました。

具体的な設定

Web Caster V120では、IPv6ブリッジ機能を無効にしておきます。これで、IPv6での通信はドコモ光ルーター01側からになります。 f:id:shakemid:20180901133617p:plain

ドコモ光ルーター01は起動時に接続方式を自動判定します。IPoE接続は、手動では設定できないようでした。 f:id:shakemid:20180901133728p:plain

自動判定で何をやっているのかはわかりませんが、おそらく取得したIPv6アドレスのレンジからIPoE接続事業者(VNE)を判定しているのではないかと思います。ぷららの場合は「OCNバーチャルコネクト」と判定されました。再起動を促されるので再起動します。 f:id:shakemid:20180901133742p:plain

再起動すると、動作状態が「OCNバーチャルコネクト」になりました。これで、IPv4 over IPv6が使えるようになっています。 f:id:shakemid:20180901133943p:plain

IPoEの動作確認は↓のサイトを使うと便利です。 ipv6-test.com

まずは、デフォルトゲートウェイをWeb Caster V120側(PPPoE接続)にした場合は以下のようになりました。IPv4アドレスがぷららのものになっているのがわかります。 f:id:shakemid:20180901134420p:plain

続いて、デフォルトゲートウェイをドコモ光ルーター01側(IPoE接続)にした場合は以下のようになりました。IPv4アドレスがOCNのものになっているのがわかります。 f:id:shakemid:20180901135413p:plain

Googleの「インターネット速度テスト」で速度を測ってみました。結果は一目瞭然で、IPoEが圧倒的に速いです。計測したのは土曜日の23時台なので混雑している時間帯だと思います。今はまだ設備が空いているからだとも言えますが、VDSLの限界の100Mbpsに迫る速度が出ていて驚きました。 f:id:shakemid:20180901232323p:plain

というわけで、IPoE接続でIPv4 over IPv6を使いつつ、PPPoE接続も共存させることができました。 しかし、IPoEを巡る状況はずいぶん複雑になってるのですね。一般的なネットワークエンジニアならわかると思いますが、一般的な人にこれを理解してもらうのはかなり難しいように思います。