Celestron Edge HD 800 にファンを取り付ける

Celestron Edge HD 800 に温度順応のためのファンを取り付けたメモです。

Edge HD はシュミカセなので安定した観測のためには温度順応が必要になります。シュミカセの温度順応は1時間以上かかると言われていますが、できるだけ早く温度順応させるために、サードパーティ製品で、TEMP-estという小型のファンを取り付けるキットが販売されています。 鏡筒の通気穴(チューブベント)にファンを取り付けるというもので、面白い発想ですが、価格は165ドルとちょっといい値段です。 www.deepspaceproducts.com

日本で購入された方の記事によると、17mm角のファンが使われているようです。見た感じなんとなく自作できそうだったので、DIYしてみることにしました。 d.hatena.ne.jp

17mmのファンとなると非常に小さいので、PCパーツショップとかでは売っていないようでした。探してみるとマルツオンラインで、同じような17mm角のファンを取り扱っていました。マルツオンラインは、個人でも1個単位で注文できるので、電子工作のパーツ調達などに重宝します。 購入したのは、日本電産コパル電子の「F17HA-05MC」という型番で、1個1170円でした。私は8000rpmのものを購入しましたが、もう少し回転数が多い11000rpmのものもあります。 www.marutsu.co.jp

注文してから5日ほどで、こんな感じのパッケージで届きました。 f:id:shakemid:20170612085417j:plain

品物はこんな感じです。1円玉より小さい極小のファンです。こんな小さいファンは初めて見ました。 f:id:shakemid:20170612085614j:plain

ケーブル類はPCのパーツを流用することにしました。もっと安いパーツもあると思いますが、PC自作が趣味なので、こんな感じのパーツは余ってます。 f:id:shakemid:20170612085744j:plain

アイネックス ファン用電源延長ケーブル CA-090

アイネックス ファン用電源延長ケーブル CA-090

  • 発売日: 2015/04/28
  • メディア: Personal Computers

アイネックス ファン用電源延長ケーブル CA-092

アイネックス ファン用電源延長ケーブル CA-092

  • 発売日: 2015/04/28
  • メディア: Personal Computers

ファン用延長ケーブルのプラスチックのカバーは外してしまいます。ちょっと強めに引っ張れば外れます。黄色のケーブルは使わないので外してしまいます。 f:id:shakemid:20170612090312j:plain

ファンのケーブルに半田付けします。 f:id:shakemid:20170612093805j:plain

熱圧縮チューブで絶縁しておきます。 f:id:shakemid:20170612100300j:plain

鏡筒にこんな感じのチューブベントが2つあるので、ドライバーで取り外します。 f:id:shakemid:20170612110955j:plain

外すとこんな感じです。プラスチックのパーツに、金属製のメッシュが挟まっていました。 f:id:shakemid:20170612111225j:plain

鏡筒の中が見えます。鏡筒の中に何か落とすと取り出すのにかなり苦労しそうなので要注意です。 f:id:shakemid:20170612111236j:plain

二股電源コネクタのプラスチックのパーツを外します。これも少し力を入れて引っ張れば外れます。こちらも黄色のケーブルは使わないので外してしまいます。 f:id:shakemid:20170612101621j:plain

こんな感じでケーブルを通します。メッシュは端を折ってケーブルが通るようにします。 f:id:shakemid:20170612111825j:plain

二股分岐ケーブルに、プラスチックのパーツを再度取り付けます。赤と黒のケーブルの位置を間違えないように注意します。 f:id:shakemid:20170612112246j:plain

ファンを取り付けます。ちょっと不格好ですが針金で縛りました。寸法的には20mm角くらいのファンでも取り付けられそうな気がします。(2017/6/28追記 20mmのファンを取り付けられました) f:id:shakemid:20170612113354j:plain

一方が吸気、一方が排気になるように逆向きにファンを取り付けます。 f:id:shakemid:20170612113941j:plain

鏡筒の中に、二股分岐ケーブルが付いていない方のファンの電源ケーブルを通します。なるべくグリスまみれのネジに触れないように注意します。 f:id:shakemid:20170612114442j:plain

チューブベントのパーツを取り付けます。ファンがきれいに収まっています。 f:id:shakemid:20170612115928j:plain

二股電源コネクタにファンの電源ケーブルを接続します。 f:id:shakemid:20170612114756j:plain

ふたをすると電源コネクタが外に出ている形になります。 f:id:shakemid:20170612114959j:plain

USBコネクタを取り付けて完成です。 f:id:shakemid:20170612115135j:plain

試運転。小さいファンですが風を感じるので、それなりに効果はありそうな気がします。 f:id:shakemid:20170612115747j:plain

材料費4000円弱でファンを取り付けることができました。惑星がよく見えるシーズンなので、きれいに見えるようになるといいなあ。

(2017/6/28追記)

20mm角のファンを取り付けられそうだったので取り付けてみました。

20mm角のファンはSUNON(サンオン)社くらいしか作っていないようで、あまり選択肢がありません。「MC20100V2-000U-A99」という型番のものを購入しました。 www.marutsu.co.jp

17mm角のものと比べると一回り大きいです。性能は3倍です。F17HA-05MC が 0.5CFM(立方フィート/分)に対し、MC20100V2-000U-A99 は 1.5CFM です。より温度順応が早くなると期待できそうです。 f:id:shakemid:20170626154910j:plain

チューブベントのパーツに取り付けてみました。こっちの方がぴったりですね。 f:id:shakemid:20170626164332j:plain

梅雨で天気がすっきりせず望遠鏡の出番がありませんが、機材のメンテナンスをするにはいい機会かもしれませんね。梅雨明けが楽しみです。